髪の毛が抜け始めた日。

気が付けばため息をついていた。

全く何もやる気がおきない。

自分でも驚く程の楽天家で、前しか向かない性分だけど、そんな私でもどっぷりと深く深く落ち込んでしまった。

   

やめればいいのに、つい髪の毛に手が伸びる。

すーっと指を通すとなんの力を入れなくても指の間には髪の毛が何本も絡みつく。

そして、又ため息。。。。

そんな私の姿を見て、家族は言う。

『抗がん剤が終ればまた生えてくるんだからさっ!』
   

『そうだよね』と答えたものの

この時ばかりは、私の気持ちなんてわかんないよ!!と心の中はやさぐれていた。

髪は抜け始めると容赦なくって、目に見える速さでなくなっていった。

お風呂に入って髪を洗うと、ごそっと抜け落ちる。

しばらくの間はお風呂に入る時、ざるを持って行って抜けた髪をそこに拾い集めてた。

髪を乾かすときは、ドライヤーの風が髪を吹き飛ばしそうで怖くて使えなかった。

仕方ないので、タオルをそ~っと髪にあてて優しく抑えるように拭いていた。

数日経つと、もう落ち武者のようになっていて家族の前でも、帽子を外さなくなっていた。

かわいそうと思われたくないという意地なのか

私の頭を見ることで、がん患者がいるんだという暗い気持ちにさせたくなかったからなのか。

ただ、カッコ悪いところを見せたくなかっただけかもしれない。。。

この時の気持ちは、今振り返っても自分でもよくわからない。

今思えば、髪が抜け始めたあの頃が髪の毛に関しては一番つらかったように思う。

全て抜けてしまえば、さっぱりしたもので家にいるときは帽子をかぶらずにスキンヘッドのままでいる。

鏡を見ても、頭の形もいいし結構似合ってるかもなんて思うほどだ。

友人が、家に遊びに来た時に不意に帽子を脱いで見せてみた。

反応も見たかったし、ちょっとしたいたずら心が湧いてきた。

そうしたらその友達

『あら~綺麗!!』って言ったんです。

髪の毛があって、しっかりおしゃれしてるときにも言ったことないくせに。。。(`・ω・´)コラッ

『お地蔵さんみたいでしょ。拝んでいきなっ』って私が言うと

友人は手を合わせた。(笑)

何もかも、笑ってしまえる方が楽だ。

笑えるようになるまではしんどいけれど

やっぱり笑ってる自分が好きだから。

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